グレン・グールド・コレクション Ⅱメニューインとの対話

○バッハ ヴァイオリンソナタ 第4番
ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第10番
シェーンベルク ピアノ伴奏を伴ったヴァイオリンのための幻想曲
 ヴァイオリン ユーディ・メニューイン ピアノ グレングールド
上記3曲をまるまる演奏し、合間に曲についての解釈などの会話がある。個性の強い2人だが、年齢の隔たりを超えてお互いに尊敬しあっているようで、演奏の相性はすこぶるいいようだ。ただ、シェーンベルクは(当然グールドの選曲だろう)メニューインは「尊敬するグールドの選んだ曲だから、勉強になる」と言いながら「ジェスチャーは通常の曲でありながら、音の羅列に意味が見出せない」と語り、それに対してグールドがなんとかシェーンベルクの魅力をメニューインに伝えようとして苦労している様がほほえましい。
ちなみにメニューインは私の中でイメージが違った。私が知っている彼は、フルトヴェングラーと共演していたころの派手派手でロマンティックな天才ヴァイオリニストだったが、大変真摯でしぶい演奏に思った。調べたら座禅、ヨガ、インド思想等の精神修養を経て、スタイルが変わったらしい。うーん興味がわくではないか。