Icon Ⅱ Rubicon(2006)

Wetton / Downes
前作"Icon"と同時に購入したが聴くのが遅れた。
エイジアというバンドは1stがヒットしたものの、2nd、3rdと徐々に売れ行きが悪くなっていったのだが、その原因は製作者側の勘違いだと思っている。1stは、作曲がウェットン・ダウンズとウェットン・ハウの組み合わせで約半々の割合だったのだが、その作風の違いが微妙な緊張感を生み、それがアルバムの深みにつながっていた。ところが1stがヒットした後、よりキャッチャーなウェットン・ダウンズ路線に統一しようとしたのだろう。しかし、結果的にそれが深みを失わせる結果になった。ファンもバカではない。こりゃつまらなくなってきた、と思ったに違いない。
さて"Rubicon"であるが、最初のうち、その3rdあたりのベタベタ感が漂い、これはまずいぞ・・・・と思ったのだが、それ以降はお得意のクラシカル・フレーバーのダイナミックな泣き節ポップスのオンパレードで一安心。ただし、使いまわし感は否めず、新鮮味はまったく無い。が、これだけやれば十分傑作であろう。返す返すも"Voice Mail"(1994)がどれだけすごかったかがわかる。
前回は元ルネッサンスのアニーがゲスト・ヴォーカルだったが、今回は"Gatherting"(オランダのバンドだそうだ)の"Anneke van Giersbergen"という人が参加。アニーより線は細いがその分クリスタルチックな美声、荒川静香がエキシビションで使用した"You Raize Me Up"を思わせる。