創元推理文庫 世界短編傑作集2

以前にも書いたが、このシリーズは、ミステリーファンなら一度は耳にした事のある古典的なトリックの元の話が読めて嬉しい。
例1:密室の銃による殺人、銃は壁にかけてあり、出入りした様子の無い高い窓、テーブルには丸い水差し。
例2:後に様々な映画やアニメに利用された(と思う)走っている汽車の車両のなかから一車両だけ抜き取るトリック。
例3:ほぼ密室の盗難現場に必ずのこっているマッチ、そのマッチには共通したある特色が・・・
また、ルパンものもあって、これは既にルパンものとして持っているのだけど、江戸川乱歩が少年探偵団で何回か使用した導入部は、人間心理の妙をとらえていて秀逸。
また、やはり名探偵として名前だけを知っていたソーンダイク博士ものは、現在なら警察の鑑識が当たり前にやっている事も、当時は新鮮な事だったのだとわかって興味深い。