Medulla(2003)

Bjork
優れたミュージシャンというのは、常に新たな実験作を試み、かつエンタテーメント性を失わない離れ業をやってのける。ビョークの道のりもそうであったといえる。しかし、これはまた飛び切りの実験作。ビートから伴奏すべて、99パーセントを人声で作り上げたアルバムである。予想はしていたがそれ以上の出来。彼女は既成宗教には否定的だが、人間の真実を求めることが仮に宗教であるなら、もうこれは一種の宗教音楽である。透徹感は"Art Bears"あたりに通ずるものがある。この人はいったいどこまで行ってしまうのだろう。