モーツァルト ピアノソナタ第8番イ短調

内田光子
内田光子モーツァルト ピアノソナタ全集がえらく廉価で出ていたので買ってしまう。
で、やっぱり(どこがやっぱりだかよくわからんが)この曲から聴く。この曲の第1楽章は音楽的には完璧な部類に入る作品で、その売りは疾走感にあり、何も考えずに演奏しても、音楽の完璧さゆえにそこそこの完成度は得られる。しかし、内田さんは疾走感よりも、この曲に潜むロマンチシズムをかなりえぐり出して我々の前に提示する。(ただし、畸形に陥ることは無く品性は保たれている)個人的には通常の素直な演奏をとりたいが、こういう演奏でなければわからないこの曲の別の面もわからせてくれるのも確か。
ちなみにグールドは、通常よりもやたら早いのに、通常の疾走感がまったく無いという(爆)異形の演奏だったなあ。いや、けしてけなしてるわけではない。彼以外にはこんな演奏は出来ない。
ちなみに、この曲は年に何回か弾く。ただし、倍ぐらいのテンポでつっかえながら(劇爆)弾いてみるとこの曲がいかに良く出来ているか良くわかるからなのだ。