私が愛したウルトラセブン(1993 NHK)

先日ちらっと書いた(こちら)ドラマを久々に見る。
金城哲夫、上原正三の沖縄県人アイデンティティ問題を盛り込むのは良しとしても(沖縄返還はウルトラセブンの5年後:下記参照)ベトナム戦争の脱走兵をかくまうくだりは世相を鑑みたにしても勇み足ではなかったか。いや、当時青春を生きた人の書いた脚本だから、当時の若者の意識の反映だと言われれば、そうなのかな、と思うしかない。
気になるのは、ソガ隊員が(つまりは阿知波信介である)が撮影の合間にアラシ隊員に手相を見てもらい「役者よりマネージャー向き」と言われるのは、すでに彼が芸能プロを立ち上げていたから、そこの流れで出てきたセリフだろうが「生命線も短いし」というのは、からかって笑うシーンなのだが、今見るとちょっと不気味で笑えない。
全体にフィクションではあるが、上原正三の幻の作品「300年間の復讐」の映像化など、コアなこだわりがある。実際のセブンの映像とのドラマ内ドラマのシンクロも画像の質を合わせているし、全体としてはけっこう見ごたえのある仕上がりだと思う。(ちなみにくどいが、なんで実相寺さんがいないんだろう)
PS.喫茶店で鏡と思いきや、(たぶん)双子がシンクロの演技をしていた、というのはストーリーに無関係のいわば遊びだがけっこう笑える。

金城哲夫(と沖縄問題)については「ウルトラマンを創った男―金城哲夫の生涯」と言う本がでていたし、たぶん詳しいサイトがいっぱいあるであろう。