Matching Mole's little red record(1972)

Matching Mole
マッチングモールの第2作、デイブ・シンクレアがフリーフォームを嫌ってキャラヴァンへ戻り(Dave Stewartもフリーフォームを嫌ってナショナルヘルスを解散させているし、同じジャズ系カンタベリー系でも、フリーフォームが好きな人と嫌いな人に分かれるのだなあ。元がジャズならフリーフォームありきだと思うんだが)ゲストのデイヴ・マックレイが正式メンバーになる。プロデュースはフリップ翁、ゲストにシンセのイーノ、フリップ翁は「アイランズ・クリムゾン」解散後「太陽と戦慄クリムゾン」結成前の時期。さて、前回フリップ翁のプロデュースが楽しみと書いたが、解説に載せられているマコーミックのインタビューによると、内情はそうすんなり行ったわけではないようだ。
フリップ翁のソロ"Exposure"(1979)を思わせる部分もあり、かなりフリップ翁のやりたいようにやっている部分がある感じ。そこを気にしなければ、構成的で素晴らしい出来だが、確かに全体として窮屈な印象をあたえる。フリップ翁のプロデュースで無いバージョンも聴きたかったところ。ラストはジャズ畑のマックレイの曲だが、初期ウェザーあたりを思わせる、このバンドっぽくない曲だが、その分新鮮。
この後バンドはいったん解散、ワイアットとマコーミックが新メンバーを模索している間に、ワイアットが例の下半身不随事故をおこし、マッチングモールの歴史は幕を閉じる。