五匹の赤い鰊(1931)

ドロシー・L・セイヤーズ
ピーター卿シリーズ6作目、これ以降は今までの1.5〜2.5倍の分量が続く。(姑獲鳥の夏より長いのもあるぞ)
どこかで、この作品は純粋パズラーでない作風のセイヤーズが「私にもパズラーぐらい書けるわよ」という意識で書いたと言う話を読んだような記憶がある。その言葉通り、時刻表は出てくるは、6人の中からアリバイつぶしで犯人を探すというかなり複雑なパズラーに仕上がっている。(基本的には「雲なす証言」のように、人間関係やらがいかにもセイヤーズ節だが)
しかし、せっかく前作で出てきたハリエットが出てないじゃないか。つまりは、私はパズラーよりそっちをセイヤーズに求めてしまっているのだった。パズラー好きが、前後の作品と関係無しに単独で読む分にはいいかも。
次はハリエット登場、しかし、さらに長いぞ。