死体をどうぞ (1932)

ドロシー・L・セイヤーズ
ピーター卿シリーズ第7作目、前作よりさらに厚いが、読みやすい。正直前作は年寄りにはきつかった(自爆)なぜ読みやすいかというと、ピーター卿とハリエット女史の軽妙かつセンスのあるやり取りをはじめユーモラスな部分がてんこもりだから。前作のパズラー的要素と、それ以前の作風ががっぷり四つにくんだ感じ。
ちなみに、パーカー警部はこの時点でピーター卿の妹と既に結婚済みである。
ちなみに、ピーター卿とハリエット女史の年齢差は、私と奥さんとの年齢差に近そうだ。であったのもピーター卿が39歳ぐらいだし、キャラとしてはまったくかぶらないのだが、そこらへんも親近感をもつ所以か。
さて、ピーター卿シリーズはまだまだ続くが、ハリエット女史は、8,9作目には出てこないのだ(ぐっすん)10作目の「学寮祭の夜」でピーター卿のプロポーズを受け(るのかな)11作目の最終作「忙しい蜜月旅行」で新婚旅行に出かける予定。

「死体をどうぞ」の爆笑夫婦漫才(うそ)や突込みどころを紹介してくださっているページを発見。

ttp://www9.ocn.ne.jp/~picadely/tukkomi-5.htm

あと、ここには載っていなかったが、私が好きなのは、ピーター卿とハリエット女史が殺人現場を調べる時の様子が、ト書き付台本形式になる部分と、ピーター卿と従僕パンターの以下の会話。

「できるだけてきぱきやってのけ、なるべく早く戻ってくれ」
「はい、御前」
「すぐ出発だ」
「はい、御前」
「それじゃ行きなさい!」
「はい、御前。御前の礼装用のおシャツは二段目の抽斗(ひきだし)、絹のお靴下は洋服箪笥の右側の小盆、礼装用のネクタイはそのすぐ上にございます」
「はい、バンター」

他のセイヤーズ作品も
ttp://www9.ocn.ne.jp/~picadely/tukkomi.htm

これでセイヤーズ作品を読みたくなる人がいるに違いない(爆)