ナイン・テイラーズ(1934)

ドロシー・L・セイヤーズ
さて、最高傑作といわれる本作だが、期待が大きすぎたのか・・・・いや、面白くないわけではない。導入部から洪水のクライマックスまで、すべてが伏線となる大変に練りこまれた力作なのだが、これが最高傑作なら、他はどうなるの?と言う話。他も負けないくらい面白いじゃないか!と言いたいわけだ。複数の人間がそれぞれの思惑で行動することにより謎が構築されるってのは、彼女の常套手段だし、そんなことよりハリエット女史を出せい!といった気分なのだ。でも、傑作なのは確か。