チャリティ=善か?

私が若い頃、古谷三敏の「寄席芸人伝」という落語家を中心とした漫画があった。
最近「タイガー・アンド・ドラゴン」放映の影響でコンビニ本が出たりしていた。その中のいくつかの印象深い話のなかで、この季節に思い出すものがある。(不人情噺の朝楽)
ある人情話の名人が、チャリティ番組出演の要請に対し、主演料が無料という理由で断る。
それに怒ったチャリティに協力する学生が、ある新聞記者にその鬱憤を話すと、その記者は「その番組で得られるお金ぐらい、あんたらが肉体労働でも何でもして稼げるんじゃないのか」としかるのである。
自分たちは何もせず、芸人をタダで働かせようとして、それがかなわないとなると芸人を責めるのは本末転倒ではないか?というのである。
若かった当時は目から鱗だった。
皆あまりにも無条件に、チャリティ=善と思い込んでいないだろうか。
派手な番組を作って、我々から只で金を集める前に、TV局やスポンサーが、他にいくらでもやりようはあるんじゃないか?