完全版・赤毛のアン(1908)

ルーシー・モード・モンゴメリ
翻訳:山本史郎(1999)
その1
今までちらちら話に出ている完全版であるが、とりあえず本文では無く、解説と付録を読む。
解説(マーガレット・アン・ドゥーデイ)には、アンがアヴォンリーへやってくることにより、旧態然たるキリスト教を超えた宗教性がアヴォンリーに持ち込まれるという物語を、モンゴメリが意図的に書いたことが示唆されている。
私は以前こんなこと書いたが(こちら)ある意味私の思ったとおりだったのだ。
付録も勉強になる。ざっとタイトルをあげると、
赤毛のアン』の地理
プリンスエドワード島の入植者
孤児の例外アン(当時の孤児事情)
プリンスエドワード島の教育事情
庭と植物
手作り工芸品と家庭生活
食事の準備、料理、家の飾り
沈黙を破って−音楽と朗読
赤毛のアン』における文学的言及と引用
暗唱用文学作品

肝心の本文は後回しになると思う。ただ、ざっと見たところ、パフスリーブを「ちょうちん袖」というのはどうなんだろ・・・間違いではないが、アンの世界に出てくると力が抜ける。