All Things Must Pass(1970 2001)

George Harrison
アナログ時代は若かったので3枚組LPというのは勇気がいったもので、その分元を取るわけではないが、随分聴いたものだ。CDはもちろん持っていたが、この際だからボーナストラックも入っているリマスター盤を買ってしまった。
何遍も聴いたアルバムだから、聴いてもただ懐かしいばかりで(悪い意味ではない)今さら何も言うことが浮かばない。「ビートルス時代の鬱憤をはらしてその才能を爆発させた傑作」と言うのはあまりにも言い古された言葉だが、ジョージがのびのびとうれしそうに歌い、演奏しているのが感じられるのは確かである。
また、今回恥ずかしい話しながら、ジョージが「デラニー&ボニー」のツアーに参加し、その流れから、「デラニー&ボニー」のバックバンドで"Derek & the Dominos"を結成する直前の連中とのセッション的な形でこのアルバムの大半が作成されたと言う事を今さら知った。(というか、昔はサザンロックに興味が無かったからだが)以前ジェシ・エド・デイヴィスの1stについて書いた時「ジョージはスワンプ・ロックの影響を受けていたのだろう」等と書いていたが(こちら)"Derek & the Dominos"がバックなのだからあたりまえなのだ。(赤面)

ちなみに、ボーナストラックの"My Sweet Lord (2000)"はどうなんだろう?あえて入れる価値があったか。
もう1点、3枚組時代の3枚目、通称「アップルジャム」のジャムセッションの収録順が変えてある。(以前のCDはアナログ盤と同じ)3枚組→2枚組ということで、つながりを考えたのか?だったら別にCD3枚組でもいいから、アナログ盤のままのほうが、昔からのファンは嬉しいんだが。
最後に一言、「ジョージの存在が無くてもビートルズは成り立つ」等と失礼な事を書いている人がいたが、音楽的センスを疑う。「リボルバー」が「タックスマン」から始まらなかったら、それは「リボルバー」では無いし、「アビーロード」に「サムシング」が無かったら、それは「アビーロード」では無い。仮にジョージが1曲も作曲せず、ボーカルも取らなかったとしても、ビートルズは4人ではじめてビートルズなのであって、多かれ少なかれ互いに影響を与え合って成立していたのである。