ブルックナー 序曲ト短調

マタチッチ指揮 フィルハーモニア管弦楽団(1956)
「ロマンティック」のカップリングとして収録されていたが、こちらはステレオ、しかし若干のノイズあり。
さすがに演奏もオケも朝比奈盤より上である。しかし、例えば主部のテーマが、直後のフォルティッシモとの対比を考えたのか、かなりピアニッシモであるように、全体的にかなり効果を考えた音作りである。それはそれで感動的なのだが、個人的には主部のテーマはしっかりと聞かせて欲しい等、素朴さが魅力のこの曲に関しては、まっこう直球勝負の朝比奈盤のほうをとる。しかし、マタチッチの録音がある事自体が望外の幸せである事は確か。