舫鬼九郎 1

岡村 賢二 原作:高橋克彦
幡随院長兵衛、唐犬権兵衛、天竺徳兵衛、高尾太夫、天海僧正、はては柳生十兵衛といった実在の人物を登場させた、高橋克彦さんの虚実ないまぜの痛快伝奇時代小説が漫画化されていた!
しかし、絵柄がちょっと好みではないなあ。みんなきつい逆三角形、個人的には小島剛夕さんの「乾いて候」の腕下主丞みたいな感じを想像してたんだが・・・・長兵衛も高尾もなんか安っぽい。設定では長兵衛21才、権兵衛18才だが、とてもそんな年には見えない。
登場人物を減らしたり、展開を速めると言うのも、漫画として分かりやすくするためだからしょうがないが、結果として殺伐とした切り合いシーンが連続するという印象になっている。
勿論切りあいのシーンは原作にちゃんとあるのだが、高橋さんの手にかかると一種昇華した感じでさらっと読めるのだが、実際に絵にしてしまうとこんなに生々しくなるものなのか、と驚く。
勿論、漫画家としては、漫画的効果としてそうしているのだろうが、この作品の本質はそんなところには無いはずだ。
この1巻は原作の1冊目の中盤あたりまでなので、たぶん2巻も買うとは思うが、個人的には、別の漫画家に漫画化してもらいたかった。
ちなみに、春には第4部が出版される模様。