夜明けとジークフリートのラインへの旅
ジークフリートの葬送行進曲
クナッパーツブッシュ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団（1956）
トスカニーニ、シューリヒトと来て、久々にクナを聴いてみる。デッカのオフィシャル盤で、貴重なスレテオ録音である。
実はクナのワーグナーは、いわゆる序曲や前奏曲の他に、こういうオペラの一部を抜き出したものは、けっこう所有しているが、正直に言うと序曲や前奏曲以外は、実はピンと来ていなかった。
ところが、トスカニーニ、シューリヒトを聴いたあとクナを聴くと、そのピンと来なかった理由がわかった。
クナは、管弦楽曲というよりも、その場面場面を想定し、その場面について深く掘り下げた演奏をしているのだ。よって、初めて聴く人は、曲全体の見通しがつきにくい。
しかし、曲全体の見通しがよくわかるトスカニーニやシューリヒトの演奏を聴いてからクナを聴くと、なるほど！そういうわけか！と納得させられるのだ。
つまりは、曲を把握した人には名演だが、初めて聴く人には向いてないのかもしれない。
これで、「ニーベルングの指環」全曲もピンと来なかった理由がわかった。
別のわかりやすい演奏を聴いてから、再挑戦するに限る。
廉価版を狙うか？デアゴスティーニ・オペラに期待か（笑）
