アリア・カンティレーナ(2006)

エリーナ・ガランチャ
ファビオ・ルイジ指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
先日のばらの騎士ファイナル・トリオを含む(こちらエリーナ・ガランチャのオペラ・アリア集。前にも書いたが、個人のアリア集にわざわざ元帥夫人とゾフィーで一流歌手をゲストに呼んでいることからも、いかにグラモフォンが力を入れているかわかる。
解説によると、2006年、2007年にオクタヴィアンを演じているそうなので、いずれ映像でも音源でも正式なものが発売されるであろう。楽しみだ。
この人の声は、深く豊かで、かつ重くなりすぎず透明感さえ感じられるところが、これまでのメゾとは違うところだな。
ドレスデンは、比較的新しい録音は初めてだが、相変わらずの水準を保っている。観点を変えればウィーン・フィルを超えているとさえいえるその音色は、いつまでも変わらないでいて欲しい。
指揮のファビオ・ルイジは初めて聴くが、私と同い年である。イタリア人らしいロマンティシズムと芳醇さを、垂れ流しにしないように絶妙に引き締めた好感の持てる指揮だとおもう。
アリア集ではあるが、1曲、スペインの現代作曲家、モンサルバーチェによる「カタロニア民謡『鳥の歌』によるマドリガル」が、チェロのソロを含めて、スペインの哀愁たっぷりで素晴らしかった。