バッハ「マタイ受難曲」

しばらく音楽の感想が無いが、何も聴いていなかったわけではない。
以前高値がついていたヘレヴェッヘのマタイがけっこう適正価格になってきたので、購入して聴いてみたら、集中型のB型なので、リヒター、クレンペラー等もお安く入手し、家にある他のマタイも一気に聴いてしまおうとの魂胆(笑)
家にあるのは録音順に
メンゲルベルク指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ(1939)
フルトヴェングラー指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1954)
リヒター指揮 ミュンヘン・バッハ管弦楽団(1958)(今回入手)
クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団(1961)(入手予定)
アーノンクール指揮 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(1970)
ヘレヴェッヘ指揮 シャペル・ロワイヤル管弦楽団(1984)(入手予定)
アーノンクール指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ(1985)
(レンタルからテープに落としたもの 今回聴かない予定)
ヘレヴェッヘ指揮 コレギウム・ヴォカーレ管弦楽団(1998)(今回入手)


こうやって並べてみると、ロマン派的フルトヴェングラー(1954)ロマン派の垢をそぎ落としたリヒター(1958)古楽器アーノンクール(1970)と、たった16年でマタイの演奏解釈が激変しているのがわかる。なんか感慨深い。

今の時点で聴いたもの
ヘレヴェッヘ(新盤)
リヒター


ヘレヴェッヘの新盤は、最初気に食わない解釈もあったが、全体として美しく透徹した演奏。しかし古楽器小編成は第1曲がどうしても迫力不足になる。児童合唱も、地声を使ったメンゲルベルクを聴くと裏声はものたりない。
また速めのテンポも、古楽器復興の頃はいいと思ったものだが、歳のせいか遅いテンポのほうが落ち着く。

若い頃、へそ曲がりだったので、標準盤的なリヒターはあまり聴かず、その頃始まった古楽器復興のアーノンクールや、逆に古いロマン派解釈のメンゲルベルクを好んで聴いていたが、今リヒターを聴いてみると、テンポの変化とかは無いものの、意外なほど濃厚でびっくり。テンポだけとればメンゲルベルクより遅い部分もある。
若干感動が押し付けがましい点はあるが、さすがに未だ名演扱いだけのことはあると思った。