ワーグナー「ニーベルングの指環」

クレメンス・クラウス指揮 バイロイト祝祭管弦楽団(1953)
2年前、クナの指環を聴いていた時
「しばらくクナ以外で「指環」を聴く事はないだろう」と書いた(こちら
また、廉価で別の全曲がないかなあ、とも書いた(こちら
そうしたら、ぴったりのものがあったのである!あのクラウスのバイロイト盤が、14枚セットで4,000円強!!すぐに聴かないにしても、買っておくに越した事はない。
特に、クナは1956年のバイロイト盤なので、主役級のキャストがほとんどいっしょであるから、聴き比べにはもってこいである。
ここらへん、因縁があって、バイロイト音楽祭では、戦後の資金不足から、主宰、演出のヴィーラント・ワーグナーが極端に抽象化した演出、いわゆる「新バイロイト様式」を始めたのだが、1951年から指揮をしていたクナがそれを良しとせずに指揮を断り、そのせいで、1953年はクラウスにお鉢が回ってきた。これが大成功だったために、翌年以降もクラウスが指揮する事になったのだが、クラウスが翌1954年に急逝てしまう。ヴィーラントはクナに平身低頭して頼み込んでクナが復帰したという経緯があったのだった。
さて、それでもこの長大なオペラを、まだ把握していないのに聴き比べるとなると、大変な作業だ(笑)とりあえず「ワルキューレの騎行」とか「夜明け - ジークフリートのラインへの旅」とか「ジークフリートの葬送行進曲」とか、わかりやすい有名部分の聴き比べから、というのも手だな。