朝比奈隆 管弦楽名曲集

朝比奈隆指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団(1980)
これはアナログ時代に所有していて、懐かしいのでCDも是非とも欲しかったのだが、勝手にCD化されていないと思い込んでいたが、偶然既に発売されていた事を知った、しかも1996年に(汗)あわててユーズドで購入。

曲目は

ワーグナー 歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲
ワーグナー 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
ヴェルディ 歌劇「アイーダ」大行進曲
グリンカ  歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ブラームス ハンガリー舞曲第5番
スッペ   喜歌劇「軽騎兵」序曲
オッフェンバック 喜歌劇「天国と地獄」序曲
マスカーニ 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
ケテルビー ペルシャの市場にて

ということで、ワーグナーヴェルディはわかるが、あの朝比奈さんが「ハンガリー舞曲」?はまだしも「ペルシャの市場にて」!?ということで、CD化されていないと思い込んでいたわけだ。
 
しかし、当時の私は(幼少時も聴いていたが)クラシックをコアに聴き始めの時代で、このアルバムは、初めて耳にするワーグナーとか、ずいぶん助かったと思う。愛聴盤であった。
そう、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲は、クナッパーツブッシュフルトヴェングラーと朝比奈さんを持っていて、かわりばんこに聴いたものだ。
クナよりも遅いテンポで始まり、素朴でありながらどこまでも優美さと崇高さを失わない音作りは朝比奈盤でしか聴けないと思う。クナのミュンヘン盤と並んで「マイスタージンガー」のお勧めである。
以前私は「ポピュラーなクラシックは逆に真摯に真摯に演奏しなければ下卑たものになってしまう」と書いた事があるが(こちら)それは、この朝比奈さんの「ペルシャの市場にて」を聴いたからだ、と言っていい。この曲については、それ以降これ以上の演奏にお目にかかった事がない。
ハンガリー舞曲」も、娘に聴かせたいので何枚かCDを買っていたが、一つも満足できる演奏に出会えなかったのは、たぶん朝比奈さんのこの演奏を聴いていたからだと思う。
その他の曲も、聴きなれた耳には別曲に響くような真摯で崇高な演奏で、当時オケ的に弱かった大フィルもここでは完璧、クラシック入門としても、朝比奈さん入門としても、万人に奨めたい名盤であると思う。
しかし、懐かしい!!