ワーグナー「神々の黄昏」

クナッパーツブッシュ指揮 バイロイト祝祭劇場管弦楽団(1956)
大分前に
「結局は神々の王ヴォータンの欲やわがままや、自分勝手な思い込みで、彼の子供たち(ジークムント、ジークリンデ、ブリュンヒルデ)や孫(ジークフリート)が悲惨な目に会う話としか思えない」と書いた(こちら
基本的にはその意見は変わらないのだが、最終的にジークフリートブリュンヒルデの死を超越した「愛」が勝利する、という事をワーグナーは言いたいのだな、とわかってきた。
タンホイザー」であれ「トリスタンとイゾルデ」であれ、というかワーグナーは結局すべて「死を超越した愛による救済」という1つのテーマを、手を変え品を変えて、表現してきたのかもしれない。
前に「神々の黄昏」は全曲を通して聴き比べる、と書いたが、第3幕のジークフリートの死から「ジークフリートの葬送行進曲」そしてクライマックスの「ブリュンヒルデの自己犠牲」までが、結局「指環」全4作を通してワーグナーが表現してきた事の結論である、とわかったので、その部分を聴き比べ、全曲はその後ゆっくり聴く事にした。