ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」

クナッパーツブッシュ指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団(1950)
また、「トリスタンとイゾルデ」をいろいろと聴こうと思って、まずはクライバーからとりかかったのだが、クナの「指環」とかを聴きこんでからだったので、クライバーも名盤なんだが、途中でどうしてもクナが聴きたくなってしまって、やはりクナを聴いてしまう。以前にも書いたが(こちら)この人のワーグナーは息遣いが自然なのだ。テンポが上がっても、追い立てられる感じも無く、気がつくと「トリスタンの音世界」の中にいる自分を発見する。やはり、この人は他の指揮者とは次元が違うのだ、と改めて思う。
しかし、歌手はちょっといけない。第2幕の愛の二重唱は、メロディの掛け合いでクライマックスに到達するのだが、絶叫調で、掛け合っているメロディが台無しになっている。うまくいかないものだ。