歴史の勉強をしていて

最近歴史の勉強をまた始めている。
きっかけは、1980年代に読んだ本で「秦の始皇帝バクトリア王ディオドトスである」と言った内容の本を読んだ事があった。当時は「バクトリア」等と言われてもぴんと来ないわけであるが、真偽のほどはさておいても、「バクトリア」については知っておきたかったので、最近になって調べ始めた。
そうなると、どうしても古代オリエントから勉強しなければならない。
最近聴くワーグナーも、北欧神話や中世叙事詩がかかわってきているので、中世ヨーロッパまでは、再度勉強しなおそう、ということで、古代オリエントからギリシャ、ローマと勉強を進めた。
(中国史は、さんざんやってきているので、今回は「西域」とかを中心に)
しかし、今回読んだ古代ローマ史の本にはちょっと首をかしげでしまった。キリスト教は古代ローマの国教になったのだから、重要であるのはわかるが、新約聖書福音書の記述が、あたかも史実のように書かれていたからだ。
別に、イエスが実在しなかったとか、福音書は嘘だ、とか言うつもりはない。ローマ側にも「キリストなる人物を処刑」した記述が残っているし、キリスト教徒の増加と影響力により、最後にはキリスト教が古代ローマの国教になったのは史実である。
しかし、それと、福音書以外に客観的な史料がない「福音書の記述」をそのまま「歴史の本」に「史実」として載せるのとは、また別問題であろう。
せめて「キリスト教徒は福音書の内容を信じたために、増大し影響力を持った」ぐらいの、客観的な記述にしてほしかった。
そうこうしているうちに、キリスト処刑100年後にローマによりユダヤが滅んだのを、キリストを処刑した報いのような書き方をしているので、あきれてしまって作者を確認したら、あれ?この人クリスチャンのはず・・・・
この本が、キリスト教宣伝の本なら文句は無いのだが、ある出版社企画の「世界の歴史シリーズ」の中の1冊なのである。これはいったいどうしたことだろう。まあ、かなり古い本だからなあ。