ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」

エーリッヒ・クライバー指揮 バイエルン国立歌劇場場管弦楽団(1952)
クライバーの「トリスタン」も聴いておきたかった。
テアトロ・コロン管弦楽団が2種(1938)(1948 イゾルデがフラグスタート)あったが、とりあえず1952年盤を入手、、が・・・・主役二人がクナ盤で文句を書いた二人だった・・・・いやな予感。
前奏曲は、カルロスのように途中からテンポが上がると思いきや、思いっきり遅いテンポのまま終わる。先日のライナー盤(こちら)より遅いぐらいだ。
実は、カルロス・クライバーは(幾分クライバーが人工的な部分もあるが)クナッパーツブッシュとダイナミズムの点においては、似ている部分があるのだが、さすがに父である、エーリッヒもなかなかに自然な呼吸のダイナミズムが素晴らしい。
ただ、やはりいやな予感は的中、イゾルデが終始絶叫調でうるさい事おびただしい。
なので、第3幕あたりは、イゾルデが途中まで出てこないので「これはとんでもない名演では!」と思うのだが、ここまでイゾルデが邪魔だと思った「愛の死」も今まで無かった(笑)
2年前のクナ盤の「愛の死」を聴きなおしたのだが、まだましだった。どうも、衰えをさらに絶叫調でカバーしようとしている感じである。

つくづく思うのは、クナッパーツブッシュやこのエーリッヒ・クライバーが、フルトヴェングラー並みの録音技術で、歌手を替えて「トリスタン〜」を録音してくれていたら、フルトヴェングラー盤に勝るとも劣らない名盤が誕生していたであろうなあ、ということである。

クライバーは、フラグスタートが歌う1948年盤でリベンジをしたいところだが、さすがにフラグスタート、現在えらい高値がついているので、とてもではないが買えない(涙)