「ボルジア家の毒薬」(「妖女伝説」より)

星野之宣
歴史の勉強もルネッサンスまで来た。
ルネッサンスと言えば、メディチ家をはじめ、話のタネが尽きない時代なのだけれど、忘れられないのがこのボルジア家である。

星野之宣の「ボルジア家の毒薬」を久々に読んだのだが、世俗教皇の父アレクサンデル6世とイタリア統一を目指す兄チェーザレ・ボルジアに人生を翻弄される妹ルクレツィア・ボルジアを中心に、女傑城主、カテリーナ・スフォルツァレオナルド・ダ・ヴィンチ等を絡めて描いたこの作品は、これがこのまま史実だったのではないか、と思わせるほどの迫力と説得力がある。

ちなみに、同じく「妖女伝説」の「砂漠の女王」は、エジプトのクレオパトラ、ユダヤ王女サロメ、パルミラ女王ゼノビアが、同一人物の転生である、という作品。
かつて、これをよんだおかげでゼノビアを知って勉強になったのを覚えている。

ところで、上でちらっと書いた、数々の女傑伝説の残るカテリーナ・スフォルツァであるが、三番目の旦那がかのメディチ家の傍系で、その孫がトスカーナ大公となり、さらにその孫娘がフランスのブルボン王朝初代のアンリ4世に嫁いだために、かのフランス革命で処刑されたルイ16世まで血がつながっていくのであった。なんかすごいな。ヨーロッパの王侯貴族って、必ずどこかで血が繋がってるて話を聞いた事があるが、さもありなん。

あれ?「ES」の惣領冬実が「チェーザレ 破壊の創造者」ってのを書いてるぞ!でも全巻買ったらお高いなあ。
追記
「ボルジア家の毒薬」"Lucrece Borgia"(1953)という映画があった!
と思ったら、ドニゼッティのオペラ「ルクレツィア・ボルジア」(Lucrezia Borgia)もあった!ただし、ヴィクトル・ユゴーによる戯曲が元で、母としてのルクレツィアを描いているが、史実をかなり逸脱した創作のようだ。
カテリーナ・スフォルツァを題材にしたオペラは・・・・さすがに無いようだ(笑)