ワーグナー「パルジファル」

スティードリー指揮 メトロポリタン歌劇場管弦楽団(1954)
クンドリー:アストリッド・ヴァルナイ
パルジファル:セット・スヴァンホルム
グルネマンツ:ハンス・ホッター
アンフォルタス:ジョージ・ロンドン
ティトゥレル:ルボミル・ヴィチェゴノフ
クリングゾール:ローレンス・ダヴィッドソン
以前からクナ以外の指揮者でも「パルジファル」は聴いておきたい、と言っていたが、これは指揮者と言うよりも完全にヴァルナイ目当て。
というか、声質的にメゾのヴァルナイの「パルジファル」がこれしかないってのはどういうことだ?ぷんぷん
世評では、まるでフルトヴェングラーベートーヴェンを振っているような「パルジファル」というのがあったが、なるほど理詰めの「パルジファル」とは、こういうものか、という感じ。理屈でフレーズを捉えて構築すれば、まさにこのような演奏になるであろう。その分大変わかりやすい。
しかし、底が見えるのも早い。せっかくのクンドリの出番である第2幕後半がつまらないことつまらないこと。ああ、別の指揮者でヴァルナイのクンドリを聴きたかった。
以前、クナ以外の「パルジファル」には、ドラマのリアリティが無い、と書いてあるサイトを読んだ事があるが、なるほどな、と思う。
なにせ、クナは「パルジファル」を「生きて」いるのだから。

ハンス・ホッターは、この時期はアンフォルタスで、1960年代にグルネマンツへ移行したのかと思っていたが、この時期からグルネマンツもやっていたのね。

ちなみに、演奏時間は4時間弱、CD4枚で余裕を持って収録してもよかったろうに、びっちり詰め込んで、CD4の途中から、なんとボーナストラックが入っている!未聴。
同年、同指揮者、同オケの「ワルキューレ」第1幕
ジークリンデ:アストリッド・ヴァルナイ
ジークムント:セット・スヴァンホルム
フンディング:ハンス・ホッター
ヴァルナイは1941年デビューからしばらくはジークリンデだったが、この頃は既にブリュンヒルデを歌うようになっているが、翌1955年のバイロイトでは、カイルベルト指揮でジークリンデを歌っている。しかし、そっちは買う予定が無いので、ここで1950年代のヴァルナイのジークリンデが聴けるのはうれしい。
また、ハンス・ホッターってフンディングもやるの?