「あしたのジョー」の紀子の表情 ちばてつやの画力

最近話題の「あしたのジョー」であるが、むちゃくちゃ思い入れがあるというわけではないけれど、やはりほぼリアルタイムに読んでいたせいか、当時はコミックス全巻(カバーに載っていた原作者高森朝雄の写真がどうみても梶原一騎で、????と思ったものだった)現在は文庫で全巻がを持っていて、久々に読み返したりしている。
私が印象深いのは、ホセとの世界タイトルマッチの前に、ジョーとマンモス西が働いていた乾物屋の娘、紀子と、マンモス西の結婚式で、ジョーのスピーチのあとの紀子の表情である。
やはり、この表情が印象深い人も多いらしく、けっこうネット上でも取り上げられている。
下記のサイトの下の方。
ttp://www.begets.co.jp/tvmanga/review/10.html
かつては、ジョーに淡い思いを寄せていた少女の面影は既になく、そこには一人の女のとしての何とも言えない万感のこもった表情と、吹き出しの「・・・・」である。
彼女がその時何を思ったか、それは見る人の数だけ解釈がある。大概は男目線なのだが、私は女性目線で解釈したいところだ。
しかし、そこら辺を書きたいわけではないのだ。この表情を見事に描ききった、ちばてつやの画力のすさまじさを褒めたい(って生意気に)
当時、例えば「巨人の星」の川崎のぼるでも、「サイボーグ009」の(旧)石森章太郎でも、連載当初はいかにも当時の少年漫画のスタイルなのだが、時代の流れからか徐々に劇画スタイルを取り始めて、作品の冒頭と終盤では、かなり絵柄が違ってきてる。漫画史的にそこらへんをじっくり噛みしめるのも、当時の漫画を読む楽しみの一つではある。