「三幕の悲劇」と「三幕の殺人」

アガサ・クリスティ
全く知らなかったのだが、ややこしい事になっているらしい。
元々アメリカで先に出版されたのが"Murder in Three Acts"(1934) イギリス版が"Three Act Tragedy"(1935)で、アメリカ版を底本としている創元推理文庫のタイトルが「三幕の悲劇」イギリス版を底本としているハヤカワ・ミステリー文庫のタイトルが「三幕の殺人」と、入れ替わっている。
のみならず、アメリカ版とイギリス版では「殺人の動機」がまったく違うらしいのだ。
その理由については「よくわからない」との事だが、もしかしたら、イギリス版の動機が「イギリス独特の法律ありき」なので、元々イギリス版がオリジナルとしてあったのだが、アメリカの読者に分かりやすいように動機を書き変えたのが、結果的に先に出版されたのがアメリカ版だった、という事かなあ。
手元にあるのは創元版なので、ハヤカワも読んでみよう。