ヴェルディ「ドン・カルロ」イタリア語4幕版

シュタイン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1970)
フランコ・コレッリドン・カルロ
ニコライ・ギャウロフ:フィリッポ2世
エーベルハルト・ヴェヒター:ロドリーゴ
マルッティ・タルヴェラ:大審問官
グンドゥラ・ヤノヴィッツ:エリザベッタ
シャーリー・ヴァーレット:エボリ公女
エディタ・グルベローヴァ:ティボー
ジュディス・ブレゲン:天の声
最近はまっている「ドン・カルロ」であるが、聴き比べは重要なので、記憶の新しいうちに、ヤノヴィッツ盤を再度聴いた(こちら
あらためて思うのが上演の際、配役に苦労すると言われるこのオペラで、配役に穴が全く無い上に歌唱も完璧である事、そして、指揮も精緻を極めて完璧である。やはりこれは(モノながら)名盤扱いしていいのではないか。
確かにヤノヴィッツの名唱も、シュタインの指揮もいわゆる「イタオペ」ではないかもしれない。しかし、受ける感動は、そんな事はたいした問題ではないと思い知らされる。
この盤に対する唯一の不満は、元々の第1幕が無いためにヤノヴィッツの出番が減り、かつ登場まで時間がかかる事だ!ぷんぷん。
「オテロ」はワーグナーに対するイタオペ側の回答である、とはよく言われることだが、実は内容や音楽の濃さから言って、この「ドン・カルロ」こそがワーグナーに対するイタオペ側の回答のような気がする。
ちなみに、CDではグルベローヴァは「天の声」役になっているが、他の信頼できる情報ではティボー(エリザベッタの小姓)になっているので、こちらを載せる。