「死への旅」(クリスティ)の中のシェイクスピア

昨日の話の続きである。やっとその部分の原文がわかった。
'I sent Hilary Craven off on a journey to a destination unknown, but it seems to me that her journey's end is the usual one after all.'
'Aha! yes! your Shakespeare!'

高橋豊による日本語訳
「ぼくはヒラリー・クレイヴェンを未知の目的地への旅に出したのだが、どうやら彼女の旅の終着点は、おきまりのところらしいな」
「ああ、なるほど!シェイクスピアか」

さて、ではこの文章がシェイクスピアの何から来ているのか。
ネットで"journey's end is the usual one" "Shakespeare"で検索しても、「死への旅」の原文しかひっかからない。
しかし"Journey's end" "Shakespeare"だと
"Journey's end in lovers meeting"
というのがあった。
十二夜」第2幕第3場より
「旅の終わりは恋人達の巡りあい」
もしくは
「恋人達が出会ったところで旅は終わり」
うん!これだな!「シェイクスピアも言っているおきまりの結果だ」という事で、わざわざ原文のままの引用をしなかったわけだ。あ〜!これですっきりした(笑)
ちなみにこの一節、コナン・ドイルもホームズ作品で引用しているとの事。
さらにちなみに、2つめのセリフがなぜ"your"がつくのかというと、このセリフはイギリス人とフランス人の会話なのだ。なので、フランス人が「ああ、あなた達のシェイクスピア」と言ったというわけ。