「見よ 恐ろしい火よ」の思い出

以前から何回かとりあげている、ヴェルディの「イル・トロヴァトーレ」のアリア
「見よ 恐ろしい火よ」の思い出話。
何回か書いているが、オペラ初心者だった1980年代、NHKに入るオペラ関係は、なるべく見ていたし、TV音声が受信できるラジカセでテープに録音したりしていた。
記憶があやしいのだが、来日歌手によるガラ・コンサートの模様が放送された事がある。フレーニ、ギャウロフ夫婦にアグネス・バルツァもいた気がする。そんな中で、「イル・トロヴァトーレ」の内容も知らない頃に、この「見よ 恐ろしい火よ」のアリアが歌われて、これがこの曲との最初の出会いだったのだが、かなり印象に残った。その証拠に、他の歌手が何を歌ったのか全く覚えていないのに、この曲だけは覚えていたからだ。録音したテープもその後何回も聴いているのに(今は手元に無い)
で、これも記憶があやしくて、歌っていたのはボニゾッリだったかドヴォルスキーだったか・・・・
ところが、だめもとでようつべで検索したら、その時の映像があるではないか。その時の映像である、と言う証拠は、NHKのアナウンサーの紹介の文章が記憶といっしょだからだ。正解はボニゾッリだった。
今見ると前半はけっこう意気込み過ぎで音程が不安定なのだけれど、やはり最高音を聴かせるラストは天下無敵である。
ちなみに映像では「ボニゾルリ」と表記されているが、当時は日本人にはラ行の撥音はなじみが無いので、イタリア人の名前は、例えばステッラはステルラ、カップッチッリはカップッチルリ等と表記されていたのだ。