マイアベーア「アフリカの女」

ペリソン指揮 サン・フランシスコ・ オペラ管弦楽団(1973)
プラシド・ドミンゴヴァスコ・ダ・ガマ
シャーリー・ヴァーレット:セリカ
サイモン・エステス:ドン・ペドロ

オペラ・モードままだまだ続くが、そろそろヴェルディ以外を聴いてゆこうと思う。
私がクラシックを聴き始めた頃は、死後に評価が急転直下で下落した代表のように言われていたマイアベーアであるが、近年は再評価の動きもあるという。何より、フランス・グランド・オペラの礎を築いたし、ワーグナーへの影響も大であるらしい。

ヴェルディワーグナーの一世代前で、イタリアではドニゼッティベッリーニベルカント全盛の頃、ドイツではウェーバーが孤軍奮闘していた頃、思えばドニゼッティベッリーニもカラスやサザーランドで復活した節もあるので、マイアベーアに対する仕打ち(笑)はある意味不当だったのかもしれない。
ところが、ソフトがあまりなく、値段や配役で選ぼうと思っても良いものが無い。ので嫌いなドミンゴではあるが購入した(笑)
かのインド航路発見のヴァスコ・ダ・ガマをモチーフに、スペインとアフリカを舞台に繰り広げられる愛憎劇、
最後は身を引いて死んでゆくアフリカ王族の娘(のちに女王)セリカは、なんか「蝶々夫人」を思わせる。まあ、当時のオリエンタリズムだな。詳しいストーリーはネットでどうぞ。

で、聴いてみると大変聴きやすくわかりやすいし、ダイナミックでドラマティックである。そこら辺が飽きがきやすいのかもしれないが、前述のベルカントより下に見る理由はみあたらない。歌手の技巧を前面に出すやりかたも、ベルカントが復活した今では逆に「あり」であろう。
相変わらず激情のメゾ、ヴァーレットはいいなあ。
ドミンゴも若いので、まだ私の嫌いなドミンゴになっていない。
他の歌手も穴が無いので、モノラルの発掘音源系ながらもこれ1枚でいいかな。