カタラーニ「ラ・ワリー」

スカーリャ指揮 ドニゼッティ歌劇場管弦楽団(1972)
・カタラーニ:歌劇『ワリー』全曲
ワリー:マグダ・オリヴェロ
ストロミンガー:ニコラ・ザッカーリア
ハーゲンバッハ:アメデオ・ザンボン
ゲルナー:シルヴァーノ・カローリ
ワルター:Ida Farina
アルファ:ラウラ・ザニーニ
歩行者:ジョヴァンニ・フォイアーニ
イタリアで、最初にワーグナーの影響を受けたといわれるカタラーニも一度聴いてみたかったが、けっこうソフトが無い。
女は嫉妬心から男を殺そうとして結婚を餌に別の男に殺害を依頼するものの、寸前で救出、しかし男は雪崩に流され、女もその後を追う・・・・なんじゃそりゃ!ソフトが少ないのはこのせいか?(笑)
確かにそれまでのイタオペに比して、管弦楽が重視されているようだ。第3幕、第4幕の前に長めの前奏曲があるし、ニーベルングの指環を思わせるフレーズが出てきたりして、にんまりしてしまう。
偶然にもオリヴェーロ続きである。今聴け、ということなのだろう。他のメンバーも穴が無い。
特に最近ちらちら目にするテノールのアメデオ・ザンボンであるが、イタリアのテノールの伝統(?)若干鼻にかかったような、ねばっこい歌い方かつ力強い声で、かなり好みである。調べたら、実力に比して録音が少ないとされており、ある意味この人も幻の名歌手だな。これから注意していこう。

このオペラで有名なアリア「さようなら、ふるさとの家よ」メロディをシンプルにして管弦楽に語らせるやり方は、この後プッチーニが昇華させたといえるか。