モーツァルト「皇帝ティートの慈悲」

コリン・デイヴィス指揮 コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団(1976)
ルチア・ポップ:セルヴィリア
フレデリカ・フォン・シュターデジーグラー
ジャネット・ベイカー:ヴィテリア
スチュアート・バロウズ:ティート
イヴォンヌ・ミントン:セスト

モーツァルト オペラ・コンプリートBOX」も再開の目処は立たないが、ポップの「修道女アンジェリカ」の到着が遅れているので、ポップ参加のこの演奏を聴いてみる。(あまり長くないし)ちなみに「皇帝ティート」とはローマ皇帝ティトゥスのこと。
神聖ローマ皇帝オポルト2世がプラハで行うボヘミア王としての戴冠式(1791年9月6日)で上演する演目として、ボヘミアの政府から作曲が依頼された」というオペラ・セリアで「魔笛」より後に作曲が始まったが、先に作曲が終わったという、彼の死の年の作品。
その割に世間の評価は高くない。聴いてみると確かに3大オペラと比べたら分が悪いが、モーツァルトらしい愉悦に満ちていて、そんなに悪くは無いと思う。
アインシュタインは、既に当時古くなっていた「オペラ・セリア」の形式が失敗の原因、としたそうだが、確かにこの時期最も充実していてしかるべきモーツァルトの音楽を「オペラ・セリア」でわざわさ聴きたくないな、という気がするのも確か。
コリン・デイヴィスは、今まで意識して聴いたことがなかったのだが、際立った特色はないものの、実にバランスが良く伸びやかな音作りで、これは今まで知らなくて申し訳なかった。