ワーグナー「ニーベルングの指環」

朝比奈隆指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団(1984〜1987)
オペラサイクルも締めくくりが近づいて、どうしても聴いておきたかったのが、朝比奈さんの「指環」であった。ブルックナーの名手であり、ワーグナー管弦楽曲も素晴らしい出来だった(こちら)朝比奈さんが、オペラをどう振るのか、興味深々である。1年に1作づつ、演奏会形式で上演されたもの。
とうわけで、1作1作が長いので聴き終えるまでに時間がかかるので、感想とかはかなり間が開くと思う。
あ、これに合わせて休日にデアゴスティーニの「指環」も見ていけば一石二鳥だな。
朝比奈さんの指揮が実はユニークなものであるというのは以前に触れている。(特に内声部の扱い)こちらこちら
なので「指環」が聴きたい、と書いた(こちら
通常、演奏会形式の上演ではソリストがオケの前に配置されるものだが、この上演ではオケの後ろに配置されている模様が写真からわかる。これを見ると、この上演のコンセプトは明らかだ。
つまりは徹底的にオケを聴かせるのである。
ワーグナーの意図は、オケを地下にもぐらせて、歌を聴かせる事にあったが、バイロイト実況盤の多くはそれがゆえにオケが聴き取りきれずに歯がゆい思いをした人も多いと思う。ワーグナー本人の意図はどうあれ、ワーグナーはオケを聴くべき、という徹底したやりかたは、かえってすがすがしささえ感じる。
サヴァリッシュがうらやましがったと朝比奈さんが語ったようだが、やはり指揮者の本音はそんなところにあるのかもしれない。