あらら・内輪話(1982)

山岸凉子
以前読んでいたマンガの、ワンシーンだけが印象に残って、タイトルがわからない、ということは得てしてあるものである。
山岸凉子が、子供のころの思い出として、貧しいながらも(いやそれだからこそ)大変しっかりした友達の家へ遊びにいったところ、リンゴをむいてくれたが、刺身包丁のようなするどい包丁が流し台のまな板から落ちてその友達の足の甲に刺さってしまった、というシーンをずっと覚えていた。しかし、山岸凉子の作品をけっこう文庫等で集めていたのに、そのシーンがあるマンガにはお目にかからなかった。
先日、古本屋へいったところ、あすかコミックスとして出ていた山岸凉子の作品が何冊かあったので、所有している文庫収録作品と幾分重複していたのだけれど、買ってみた。
すると、そのシーンのある短い作品が「瑠璃の爪」の巻末に収録されていたのである。これでちょっとすっきりした。
1982年別冊「ララ」夏の号に掲載、ということで、たぶんそれを買って読んでいたんだろうな。
ちなみに今まで「山岸涼子」と書いてきたが「山岸凉子」であった(汗)
なので、昔の分も訂正する事にした。