アブラヴァネルのシベリウス交響曲全集の残りとまとめ的なこと

シベリウス 交響曲第3番 第5番 第4番
アブラヴァネル指揮 ユタ交響楽団(1977)
牧歌的な第3は、アブラヴァネル&ユタ響の朴訥な響きに最も相性がいいかもしれない。
第5も同様だが、あえて言えば第1楽章のミニマル的な部分はテンポを上げて欲しかった。
陰鬱と言われる第4だが、どこまでも優しく柔らかい演奏で、こういう演奏だと随分印象が違うものだが、これはこれでありだろう。

 

シベリウス 交響曲第1番 第2番
アブラヴァネル指揮 ユタ交響楽団(1977)
曲想に合わせて、かなりダイナミックな指揮ぶりだが、どこまでも真摯な演奏で、個人的にはこの曲で感動することはめったにないので、これは名演の部類にはいるのではないか?
第2番も朴訥かつ真摯な演奏で、この曲は本来こう演奏するべきなのでは?と思わせる説得力がある。
 
最後に全集のまとめ的な事を書くと、これは予想以上に出来がいい。ロジェストヴェンスキーと同様、大穴である。
オケの完璧さを求める人には向かないが、シベリウスの本質を追求したい人にはお勧めの全集と言える。