バルトークいろいろ

バルトークの感想がたまってきた。

バルトーク 舞踏組曲
ブーレーズ指揮 シカゴ交響楽団(1992)
コチシュ指揮 ハンガリー国立フィルハーモニー(2002)
フリッチャイ指揮 RIAS交響楽団(1953)
ブダペスト市成立50周年記念音楽祭からの依頼により「中国の不思議な役人」の作曲の間に書かれた全5曲の組曲である。ハンガリーをはじめとする、さまざまな国の民族音楽的雰囲気を持ったエキゾチシズムあふれる曲で絶賛されたらしい。
バルトークの中では比較的聴きやすい音楽の部類に入るか。
コチシュは、比較的民族音楽色の強い泥臭さの残る演奏で、これはこれで好感が持てる。
フリッチャイは「舞踏」の愉悦が感じられないくらい凄絶な演奏だが、それがなんとも心地よい。これはフリッチャイを取るか。

 

バルトーク  ハンガリーの風景
フリッツ・ライナー指揮 シカゴ交響楽団(1958)
ブーレーズ指揮 シカゴ交響楽団(1992)
コチシュ指揮 ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団(2008)

ハンガリーの風景」はバルトーク自身が、自作のピアノ曲から選んで編曲したもので以下の5曲からなる。

トランシルヴァニアの夕べ
熊踊り
メロディ
ほろ酔い
豚飼いの踊り

バルトーク民族音楽的側面を知るには最適な曲であろう。元曲も聴きたくなるな。
バルトークにも(っていうと失礼だが)こういうほっとするような作品があるのだ。

 


バルトーク ハンガリー農民の歌
コチシュ指揮 ハンガリー国立フィルハーモニー(2002)
管弦楽のための協奏曲とのカップリングでブーレーズBOXには収録されていない。しかし、タイトル通り民族音楽色の強いだけでなく哀愁感がたっぷりで、ここで聴けてよかった。元々はピアノ曲の本人によるオーケストラ用編曲である。

 

バルトーク「2つの肖像」
ルドルフ・シュルツ(Vn)
フリッチャイ(指揮) RIAS交響楽団(1951)
第1曲 理想的なもの
第2曲 醜いもの
第1曲の対位法的息の長い展開と、第2曲の舞台音楽的展開の対比が鮮やか。