バルトーク ヴァイオリン協奏曲第1番

バルトーク ヴァイオリン協奏曲第1番
ギドン・クレーメル(vn)
ピエール・ブーレーズ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(2004)
ブーレーズバルトークBOXの中で、最も作曲年が古いのがこの曲であるが、実は未発表のままバルトークが埋もれさせていたもので、1956年再発見され、めでたく第1番とされ、それまでバルトークのヴァイオリン協奏曲とされてきたものが第2番となった。
なぜ埋もれさせていたかというと、女性ヴァイオリニスト、シュテフィ・ゲイエルへの思いを託した作品だったが、それを伝える前に彼女は遠くで結婚してしまった。かくしてこの曲は埋もれてしまった、のだという。ちなみに変則の2楽章構成。
さて、若き日の作品だが、既に充分バルト―ク的世界が確立している。特に第1楽章は、多少気味の悪い対位法的展開がたまらん。時折安らぎが顔を見せては消えてゆく。
第2楽章は民族音楽的躍動感をもつが、あくまで躍動感が民族音楽的なのであって、音楽自体は現代音楽。