クリフォード・D・シマック「再生の時」

クリフォード・D・シマック「再生の時」(1951)
「都市」(1952)直前の作品である。
読み始めてすぐに気付くのがヴァン・ヴォークトの「非(ナル)Aの世界」(1948)に非常に雰囲気が似ているという事。「大宇宙の守護者」はスペース・オペラだったが、こちらはジェットコースター・ノベルということか。未だシマックはスタイルを模索中ということだろう。しかし話は複雑で、テーマは深淵だ。「ブレードランナー」や「ターミネーター」の遠い祖先の趣もあり、なかなかの意欲作である。
ちなみにこれはハヤカワSFシリーズであるが、表紙にある原題が"Time and Again"だが、中表紙の原題が"First He Died"である。
海外ウィキペディアによると、ペーパーバック発売時のタイトルが"First He Died"らしいが、ここで気になる記述がある。
Time and Again (1951) Alternate paperback title: First He Died; serialized (with a different ending) as Time Quarry.
英語が得意なわけではないが、これは"Time and Again"と"First He Died"ではエンディングが違う、と書いているのではないか?だとしたらこの「再生の時」はどちらの翻訳なのだろう。また、違うエンディングとはどんな内容なんだろう・・・・・気になる!