ストラヴィンスキー自演の「火の鳥」3種

ストラヴィンスキー火の鳥」全曲
ストラヴィンスキー指揮 コロンビア交響楽団(1961)
ストラヴィンスキー火の鳥」組曲(1945年版)
ストラヴィンスキー指揮 コロンビア交響楽団(1967)
ストラヴィンスキー火の鳥」組曲(1945年版)
ストラヴィンスキー指揮  ニューヨーク・フィルハーモニック(1946)
BOXを2つも追加してしまったので、さて、これからストラヴィンスキーをどういうふうに聴いていこうかと思ったが、とりあえず「火の鳥」「ペトリューシュカ」の自演盤を聴いて「春の祭典」の手元にあるすべての聴き比べをしてから、再び(なるべく)作曲年順におってゆくことにした。
ちなみにニューヨーク・フィルハーモニックとの演奏はBOXではなく、自演BOXに網羅されていなかった1940年代に指揮した録音を1枚にまとめたCDを新たに買ったもの(「春の祭典」が「春の祭典10CD BOXとかぶる(涙))
さて、あまり耳に馴染み長い「火の鳥」(1945年版)であるが(「ペトルーシュカ」も1947年版がある)原始主義から新古典主義に移行したストラヴィンスキーが、新古典主義としオーケストレーションをしなおした、というのが表向きで、ネット情報によると、当時アメリカに住んでいたストラヴィンスキーであるが、昔の曲が演奏されてもちっとも彼の懐にお金が入ってこないので、苦肉の策として改訂版を書き、そちらが演奏されることで収入を得ていた、とか・・・・当時の著作権はいったいどうなっていたんだろう?
さて、いつものように長い前置きだったが、肝心の演奏である。
1961年の演奏は、ワンフレーズ、ワンフレーズをいとおしむようなニュアンス付けで、実に味わい深い。この演奏を聴かないでは、この曲の本当の魅力はわからないのでは?とさえ思うほどだ。
1967年の演奏も同様だが、やはり評判の悪い1945年版の分、割り引かなくてはならないか。
同じ1945年版でも、1946年の演奏は、若々しいアグレッシヴなもので、1945年版の欠点を凌駕してしまった感がある。