モーリス・ルブラン「カリオストロ伯爵夫人」

モーリス・ルブランカリオストロ伯爵夫人」
ルパン20歳の初冒険。若く清純な恋人がいながら、年上の妖艶な悪女によろめき、後悔し、またもとの彼女の元に戻るという、典型的な馬鹿男の物語。
ルパンの性格が嫌いだ、と以前書いた。例えば子供の頃最初に「奇巌城」を読んだ時、イジドールの身内を人質にとった場面で「え?たんなる卑怯者じゃん」と違和感を感じたものだったが。今回は馬鹿男だったこともわかった。
それでも男女の愛憎を絡めたサスペンスとしては面白いんだろうな。「カリオストロの復讐」の伏線として、内容を知っておかなければ、という気が無い限り、もう読まんだろうが。