コナン・ドイル「まだらの紐―ドイル傑作集1」

コナン・ドイル「まだらの紐―ドイル傑作集1」
というわけで、創元推理文庫版のドイル傑作集1である。
ホームズものの「まだらの紐」の戯曲版と、やはりホームズものの「マザリンの宝石」の元ネタとなった戯曲「王冠のダイヤモンド」がメインでこの2作で文庫本の半分を占める。
新潮社版とは「消えた臨時列車(消えた臨急)」「時計だらけの男」が重複している。
この戯曲版「まだらの紐」がかなり面白い。原作を引き延ばしているのだが、水増し感は全く無く、原作では依頼者が語る過去の内容もすべて舞台で演じられるし、原作に無いホームズの変装も楽しい。初演時の豊富な舞台写真も興味深い。これはホームズ・ファン必携の一冊ではないか。