ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番

ショスタコーヴィチ  ヴァイオリン協奏曲第1番
ムラヴィンスキー指揮  レニングラードフィルハーモニー交響楽団(1956)
ダヴィド・オイストラフ(vn)
コンドラシン指揮  モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団(1959)
レオニード・コーガン(vn)
ヤノフスキ指揮  オスロフィルハーモニー管弦楽団(2002)
ヒラリー・ハーン(vn)
4楽章形式の交響曲的大規模作品で、久々の前衛作品のためにジダーノフ批判を避けて発表が控えられたとのこと。
コンドラシンムラヴィンスキーがBOX収録、ヒラリー・ハーンは、メンデルスゾーンとのカップリングで、買った当初はショスタコーヴィチを聴く気がなかったので、今回この機会があってよかった。
しかし、何気にすごい録音がそろった気がする。ムラヴィンスキーオイストラフのコンビはこの曲をこの前年の1955年に初演しているし、コーガン、コンドラシンは爆裂のライブ演奏である。
さて、1楽章、3楽章のまるで1楽章でワンフレーズのような息の長い旋律が圧巻である。
コーガン、コンドラシン盤は、アグレッシヴな分、わかりやすくなっているが、ワンフレーズ感が失われているのが惜しい。
ハーンは抒情的でしっとりした演奏で、やはりその分わかりやすくなっているが、同様にワンフレーズ感が失われてしまった。
ワンフレーズ感にこだわっているが、やはりあたかもワンフレーズのように聴こえるようなオイストラフの演奏が、この曲の本質を突いている気がする。
それはさておいても、まったく違うアプローチの三種の演奏で、この曲を初めて聴けたのは大変幸運だと思う。