篠田真由美「東日流妖異変」「唯一の神の御名」

篠田真由美「東日流妖異変-龍の黙示録」
「龍の黙示録」第2弾である。
予想通り、キリストの墓も大石神ピラミッドも日本中央の碑も荒覇も出てきて青森古代史ロマンてんこ盛りである。いや「ロマン」という扱いではないな。青森で起きる今回の事件は、読んでいてあまり気持ちのいいものではない。まあ、ホラーなんだからしょうがないか。

篠田真由美「唯一の神の御名」
「龍の黙示録」第3弾で、実質、古代ローマを舞台にした短編2つと、日本の飛鳥時代を舞台とした中編1つで構成されている。
このシリーズは「イエスの慈悲により、その血を与えられて不死となった主人公」と「イエス処刑のおり、その血をかすめ取ることにより不死となった『魔』」との戦いが主軸なのだが、今回は主人公を一種の狂言回しとして、その時代その時代の人間描写に力が入っていて、前作よりは個人的には好みである。