フルトヴェングラーRIAS BOXの「運命」

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1954)
フルトヴェングラーRIAS BOX である。
1954年のウィーンフィルとの録音の「運命」は、長らくフルトヴェングラーの最晩年の境地を表すものとして認知さててきた。
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20090207/p1
なのでその3ヶ月後のこのベルリン・フィルとの演奏も、そんな感じなのだろう、と勝手に思っていたが違った。1947年盤ばりのテンポの変化と激しさである。さらにスケールが大きい。いやスケールが大きいという言葉では足りない。「巨大」な演奏というべきか。こんな「巨大」な「運命」は生涯で初めて聴いた。個人的にはなりふりかまわないような1947年盤を取るが、この1954年BPO盤をフルトヴェングラーの「運命」のベストとする人も多いというのもうなづける。まさにこちらこそ、フルトヴェングラー晩年の境地なのだ。
もしかしたらフルトヴェングラーは、スタジオ録音は半永久的に残る事を考えて、ことさら楽譜に忠実に演奏しようとしたのかもしれない。そしてライブでは最晩年に至るまで怒涛の演奏をしていた、という事になる!なんかすごいな。

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1947.5.25)
以前書いた第2次世界大戦後の復帰第1回目の演奏会の録音がRIAS BOXに入っていた。
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20061030/p1
この時のCDは、音があまりよろしくなかったが、今回はどうだろう、と聴いてみたら、これはかなり音が良くなっている!良くなりすぎて、若干うすっぺらい印象になるのが惜しいが、これだけ良くなったのだから贅沢は言うまい。