フランク・ハーバート「鞭打たれる星」

フランク・ハーバート「鞭打たれる星」(1969 翻訳 1979)
先日、萩尾望都の「マージナル」を久々に読んだ。ざっくりと言うと、惑星規模の実験の話だが「そういえば、フランク・ハーバートにもそんな話があったなあ」と思い出す。
フランク・ハーバートと言えば「デューン」なのだが、邦訳されている中で唯一の別シリーズが「ジャンプ・ドア」シリーズ全2作、で、その第2作の「ドサディ実験星」がその惑星規模の実験の話なのだが、久しぶりなので、第1作から読む。
若かりしころ、これを読んだ時は、わけがわからなかったものだが、その後何遍か読み返すうちに面白さがわかってきた。
いわゆる異質の生命体との相互理解の難しさがテーマと言ってしまえばそれまでだが、読者に情報を与えないままどんどん話が展開していくさまは、A・E・ヴァン・ヴォクトを髣髴させるし、なかなかに奥深い。しかし、とっつきにくいのも確かで、最初の頃は海外ではあまり評価されなかったようだ。