チャイコフスキー 歌劇「オプリチニーク」

チャイコフスキー 歌劇「オプリチニーク」
ロジェストヴェンスキー指揮 カリアリ・リリコ劇場管弦楽団(2003)
ヴァシリー・サヴェンコ(バス)
エレーナ・ラッソスカヤ(ソプラノ)
ディミトリー・ユリヤノフ(バス)
イリナ・ドルツェンコ(メゾ・ソプラノ)
フセヴォロート・グリヴノーフ(テノール
アレキサンドラ・デュルセネーヴァ(メゾ・ソプラノ)
ウラジーミル・オグノヴェンコ(バリトン
チンジア・デ・モーラ(ソプラノ)

チャイコフスキー・エディションである。

チャイコフスキーの最初の歌劇は、序曲「嵐」の元ネタの作者オストロフスキーが、チャイコフスキーの依頼でわざわざ自作の「知事の娘」を歌劇用台本に書き直した「地方長官」なのだが、劇場の無理解から上演前にチャイコフスキーが自信を無くして自ら焼却してしまったとか(ネット情報)
次のオペラである「オプリチニーク(親衛兵)」は、序曲「運命」や、焼却した「地方長官」のフレーズをかなり使用しているとのこと。というか、「地方長官」の第1幕がそのまま使用されている、という情報もあり、脚本としてはいったい誰がまとめたのか。っていうか、このネット時代にあらすじもよくわからんぞ!
というわけなので、あまり期待しないで聴きはじめたら、これがまた美しく実に気持ちのいい音楽である。そこらへんのイタオペあたりより、よっぽどしっくりくる。あらすじも良くわからない作品でさえこんなにいいのなら、有名作品はどれだけいいんだろう。今までチャイコフスキーのオペラを聴かなくて、随分損をした。いや、今と言う時期だから良かったと思おう。
指揮も歌手陣も間然するところが無い。特にソプラノのラッソスカヤ、テノールのグリヴノーフが素晴らしい。