小澤征爾 「エフゲニー・オネーギン」の映像

チャイコフスキー 歌劇「エフゲニー・オネーギン」
小澤征爾指揮 東京のオペラの森管弦楽団(2008)
オネーギン:ダリボール・イェニス
タチヤーナ:イリーナ・マタエワ
レンスキー:マリウス・ブレンチウ
オリガ:エレーナ・カッシアン
グレーミン公爵:シュテファン・コツァン
ラリーナ夫人:ミハエラ・ウングレアヌ
フィリッピエヴナ:マルガレータ・ヒンターマイヤー
トリケ:ヘルムート・ヴィルトハーバー

最近はあまりやらなくなったが、以前はけっこうテレビで録画してからDVDに焼いていたものだ。なので、だんだん何を焼いたのか忘れてきてしまったりする。
たまたま調べたらこんなものを見つけた。まったく記憶にない。たぶんいつか見るだろうと思って未見のまま焼いたのだろう。調べたら2008年NHK教育テレビの芸術劇場の映像で、2011年には正式発売されている。正式発売していたら「エフゲニー・オネーギン」の映像を調べた時にひっかかったはずなのにわからなかったのは、タイトルが「エフゲーニ・オネーギン」となっていたからだ。エフゲニーでもエフゲーニでも、どちらでもいいから統一してほしいものだ。
しかし、これほど「エフゲニー・オネーギン」にはまるとは、録画した当時は思ってもみなかったであろう。よく録画しておいてくれた、と過去の自分に感謝しよう。
さて、小澤征爾の音作りは、テンポの変化の激しい情熱的なものだが、個人的には速い部分はせわしなく、遅い部分は弛緩して聴こえてしまう。華美ではあるが底が浅く聴こえてしまう。もともとこのオペラはチャイコフスキー自身が小規模の劇場で上演されることを念頭に作曲したものなので、この音作りはオペラの本質にそぐわない気がする。
演出は時代設定を現代に近くしてあるので、農奴が工場労働者になっている。なんらかの意図はあるんだろうが、このオペラの映像のファーストチョイスには向かないだろう。
余談だが、NHKが小澤征爾のDVDを出すのなら、以前触れた「ファルスタッフ」の日本語上演をなんとか発売してほしいのだが・・・・
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2011/08/01
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2012/06/07