ロジェストヴェンスキーの「スペードの女王」の映像 その1

チャイコフスキー 歌劇「スペードの女王
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮 パリ国立オペラ管弦楽団(2005)
ウラディミール・ガルーシ
ハスミク・パピアン
イリーナ・ボガチェーワ
ニコライ・プーシキン
イリーナ・チスチェコヴァ

海外発送の「エフゲニ・オネーギン」を待つ間にチャイコフスキーのもう一つの有名オペラである「スペードの女王」を聴いてゆく(見てゆく)事にした。
やはり最初に映像を見ておきたかったが、日本語版で適当かつ廉価なものが無いので、輸入盤ではあるがこの映像を入手した。
おおざっぱなあらすじは、主人公がトランプの必勝法を知っているという噂の老女からその方法を聞き出すためにピストルを向けると、老女はショック死、しかし老女の幽霊があらわれその必勝法を主人公に教え、彼はその方法で勝ち続けるが、最後にエースを出せ、と教わり、そのとおりに出したつもりがスペードの女王で大負け、そのショックで主人公が発狂、というもの。
そして、この映像は、いきなり発狂した主人公の精神病院の個室から始まる。そして、病室の壁は奥行きの浅い舞台となっていて、そこで物語が演じられ、主人公がそれを見ている。つまりは既に発狂してしまった主人公の回想が病室の壁に映っているのであろうか、それとも、単に主人公の妄想という設定であろうか。
原作では、老女にわたりをつけるために老女の娘に言い寄るが、オペラでは最初に身分違いのかなわぬ恋の相手としてこの娘が出てきて、その愛とトランプ必勝法の間で主人公の心が揺れ動く、という恋愛要素が加わっている。そのせいで、原作のシニカルな味わいが薄れている、という評もあり。
続く